レッドツェッペリンのギタリスト・ジミーペイジ。彼の熱狂的ファンがコピーバンドに失敗するドキュメンタリー。そんな感じがする映画を見つけたので、自分のバンドの練習が始まる前に観たらさぞかしスカっとするだろうと思った。
バンドごとに人間関係は様々だと思うが、きっと多かれ少なかれ目指す部分が一致しない・分からないことはあるだろう。例えば、ギターを弾かなければギタリストの気持ちに距離感を覚えたり。
ギターのピックアップ(※マイク的な部分)の職人やアンプ(※要はスピーカーである)職人の元に出向き、ややこしそうなオーダーをした機材を試奏してご満悦。基板の部品をヴィンテージのものに付け替えるシーンやコイルを巻くシーンをスパイの秘密兵器を作るようにさりげなく荘厳に映す。
なんかギターにこだわる事がかっこいい気がしてくる。そして主人公が本当にジミーペイジ本人そのものを目指そうとしているのだと理解してしまう。思ったよりシリアスなのかもしれないと気合を入れ直しつつも、何かよく分からないパーツの丸みを嬉々として説明するシーンはどうしても「タモリ倶楽部」を連想してしまう。関係者からの証言もかすかに呆れがにじんでいるような気がして、真面目さと同時に滑稽さを抱いてしまう。
そんな彼に転機が訪れる。主人公のライブにジミーペイジ本人が来て「公認」を貰う。そして仕事を辞めてアメリカでレッドツェッペリン再現バンドに加入する。より本物に近いバンドができると信じて。ここから、主人公が加入するバンドのボーカルの証言がこまめに挟まる。彼のおかげで主人公の行動がやっぱり少しおかしいのだと安心する。バンドメンバーに対する注文も案の定面倒臭い。メンバーを解雇し、新しいメンバーにはやんわりと逃げられ、メンバーの彼女がマネージャーになる期待を裏切らない展開。それでも頑張る、という主人公への編集。ベタな展開でも主人公の面倒臭さが本物なので退屈しない。
恐らく本編の裏で揉めてるとは思うが辛いやり取りは映らない。いい感じの演奏の間に主人公のやらかしムーブやその結果が出ることの繰り返しで、爽やかに面白い。
最終的にスッキリするまとめ方にはなっているものの、これからも主人公がもっと面倒臭い働きをすることをつい願ってしまう。
マニアックな人とそれの周辺の空気を楽しみたい人にとてもオススメしたい映画。エレキギターが好きな人にも序盤はかなり楽しめるはずなのでぜひ見てもらいたい。


