9月はドラマーの小川氏とのデュオがある、それに打ち合わせもしたい。隼人のハードオフに行きたい。なんとなく遊びたい。そんな思惑と、小川氏が天文館方面に用事があると言うタイミングの合致が重なる。要するに小川氏と遊ぶ日だった。
昼から開いている凡でしばらく雑談して小川氏の車で小川ハウスに向かう。私は車の運転に慣れてきたが、密室における孤独感にはまだ慣れていない。助手席にいるときにもどうにか紛らわそうとしてしまっていた。一人でいるときは何かで気を散らせば運転に集中できる――(ブレーキを踏みながらアクセルを踏むような表現だ。感情はフロントガラスに張り付く雨粒のように運転の妨げになるため、ワイパーのような何かが必要である。と書いたほうが冗長だが正しい。)。――できるのだが、助手席にいるときに何をすれば良いのか分からなくなっていた。とりあえず何か口を動かしてしゃべる。それがどんな内容だったのかは覚えていないが、ひどく中身が無かった気がする。県立博物館や蒲生の話や、セカンドストリートを通るたびにしていた時はまだマシだった気がする。よくよく考えたらどこも一度は通ったことのある道なので常に道の話をしておけば良かったかもしれない。しかし、なんとなく生活の話をしてしまったような気がする。生活の話というのは、リアルタイムトークである分この日記よりも情報量が薄い。ラジオで中身のない話が流れている、と言うのはベタな状況だがそれすらも素人には難しい事が分かった。このパラグラフを書きながら内省していたのだが、こういう「番組」と言うのは事前に話題を考えてあるから成り立っているのだと思う。
そこから先は、ハードオフに行って、小川ハウスに遊びに行く。楽器を鳴らす以外は、冷凍食品の麺を茹でた以外の記憶が無い。あとは犬の話である。
室内犬との触れ合いは気まずい。室内犬は自分の家にいるとき、自分の家にいる時の気分であることが想像できる。どうにも慎みが無い。飼い主が帰ってきたときの犬は勢いが強い。私は思わず驚いてしまう。フゥーッと叫んでしまったので、犬もきっと驚いている可能性が高い。少なくとも尿を漏らしていることは確かであった。それが良い意味で尿を漏らしていたのか悪い意味で尿を漏らしていたのか、私には判断しかねた。私と犬だけ部屋にいる時、犬は机の下からでてこない。私が何かしら踊ってみた時、だいたい30秒程すると吠えだす。普段は漏らしも吠えもしない犬らしい。玄関のレコードプレーヤーから、ハードオフで買ったジャズの音が聞こえている。犬の散歩についていくと、色んな犬がいたのだがどれも他人に対しては落ち着いていた。外にいる犬は慎みがある。水を持っているかどうかを第一に判断して、水を与えたがっている人間にだけ急接近する。手ぶらの私にはどの犬もそっと匂いを嗅ぐだけの対応だった。やはり、室内の犬だけ気まずい。次は驚かさないように気をつけようと思う。
帰りは電車。重富‐仙巌園間の道だけがだいぶ長く感じる。

