映画『狂い咲きサンダーロード』:荒廃したディストピアアクションかと思ったら、割と庶民的な暴走族の話。いや、暴走族どころではない。とんでもない展開の結果、第一印象通りの映画だと分かった。
冒頭のノイジーなシンセとともに煙が湧く。夜、おびただしいライトとゲインの荒い粒子の中、バイクが走る。暴走族のチーム達は和睦を結ぶようになる。それが耐えられない主人公達ははぐれものになり、仲間達はどんどん居場所を見つけたり襲われたりする中、ついに主人公も再起不能になってしまった…かに見えた。
プリミティブな暴れエネルギーを掲げたロックの劇伴がふんだんに使われていて、歌モノの曲も多い。スムーズなMVのような味わい。冷静にみると映像表現はどこか実験的で不思議。サイレント映画みたいにテロップで会話するシーンとか、ベッドの上で人生ゲームをするシーンとかスタイルを見切れないまま入ってきてビックリする。バトルロイヤル広場、デスマッチ工場跡のネーミングもスゴイ。世界観や作品のマインドセットの時点で突き抜けている。
いろんな意味で暴れて、とりあえず主人公がボロボロになったことだけは分かる(植物人間になった仲間もすごい)。珍妙なリフが流れながら、不思議な人たちが転々といる廃墟に歩きつく。ジム・ジャームッシュとウルリケ・オッティンガーを同時に観たような感じで非常に好み。そこに、妙にハッキリしつつドスのきいた声の子どもが話しかける。男の子は売人らしい。主人公はゴテゴテの装備と重火器を集めて、暴走族並びにバイクポリス、スーパー右翼を皆殺しにして、バイクで去る。
好きな音楽と好きなシーン、そしてスカッとする終盤と、個人的にはすごく好きな映画だった。
ちょっと気になって調べたのだが、バイクには前輪ブレーキと後輪ブレーキがあってちょうど手と足で操作するらしい。ちょうど1週間前、この映画を観るかヒックとドラゴンを観るか迷っていたのだけど、どちらも黒い乗り物に乗る所は同じなのに話は正反対で面白かった。
後ろの席に安田監督がいた。勝手なイメージでもう観ていると思っていたので意外だった。バンドをしている人としても映画を観るのは大事だと思うが、映画館で音楽の知人会うことはほとんど無い。
その後スタ連があって、大野が先にスタジオを使っていた人とツェッペリンの映画をまだ観ていないという話をしていた。
本番数日前。自分自身のプレイに関しては不安は無い。しかし、大野の傾向については直そうとはしていないので納得していない。
昼間、非生産的な話を延々と聞かされていたのでムシャクシャしていたが映画に行って良かった。

